光を背負う、僕ら。―第2楽章―




あたしの背後にいたお母さんが学園長にお辞儀をする。




「先生、娘のためにわざわざご足労かけていただいて本当にありがとうございました。
時間さえあれば、ゆっくりともてなすことも出来たのですが…」


「いや、いいんだよ。今日は佐奈さんに特待生の話を持ってきたわけだけど、久しぶりに君の様子を知りたかったというのもあって訪問したんだ。君が引退して以来、まともに会うことも出来なかったからね。
……だから今日、元気な姿を確認出来たことが最高のもてなしだよ」




学園長の安堵した表情を見て、お母さんはため息をついた。



それは長年の間ずっと恩師に心配をかけていたという重荷から、やっと解放されるという清々しさを帯びていた。




「…ずっと気にかけて下さって、ありがとうございます。
やむを得ず引退を決意した頃は悔しくて、自分を責めることしか出来なくて、苦痛しかありませんでした」




でも、とお母さんがあたしの肩を抱き寄せた。


顔を上げれば、幸せそうな表情に見下ろされる。