「今日ここに来たのは……佐奈さんに、特待生の話をしたかったからなんだ」
「特待生、ですか…」
お母さんと顔を見合わせてから、パンフレットを受け取る。
お母さんもこの話は聞いていなかったらしく、不思議そうにパンフレットを覗き込んだ。
パラパラとページをめくると、特待生のことについてこと細かく記載されていた。
あまりの説明の多さに目が回りそうになる。
「詳しいことはそこに書いてあるのだが…。
簡単に言うと入試に好成績で合格した場合、その制度を利用出来るんだ。また君の場合、今現在の才能を見込んでスカウトという条件でも、その制度を利用出来る。
どうだい?良ければ特待生として、入試に望んでみないか?」
学園長が簡単に説明してくれたけど、いまいちそれは頭に入ってこない。
特待生?
ついこの間までピアノの練習もしていなかったあたしが、そんな制度を受けてもいいの…?
持ち出された話は現実味が持てなくて、どう返事を返せばいいのかも分からない。
……第一あたし、東條学園を受験してもいいの?



