光を背負う、僕ら。―第2楽章―




お母さんは演奏の間に瞼を伏せていたらしく、ゆっくりとそれを開いた。



自分と同じ形をした瞳がこちらをしっかりと見る。


やがて、お母さんは決心したように口を開いた。




「…佐奈の気持ちは、よく分かったわ。ちゃんと、私の心にも響くメロディーだった」


「じゃあ……あたしの夢に、賛成してくれる?」




ぐっと唾を飲み込んで、お母さんを真っ直ぐ見る。




その瞬間……


――お母さんは、笑った。



春の穏やかな風が吹いたときみたいに、ぬくもりが身体を覆う。




「……えぇ、いいわ。あなたの夢に賛成する」




その言葉を聞いた瞬間、思わず両手で顔を覆った。



温かい涙……嬉し涙が、手のひらに落ちていく。




「…っ、本当に?本当に…夢を追いかけても、いいの?」




ずっと、ずっと。


ピアノを弾くことを禁止されたときから、ずっと遠ざかってしまった夢。


一度ははっきりと反対されてしまい、さらに許されないものにもなってしまった。



……だけど今、お母さんは『賛成する』と言ってくれたの?



今まで散々許してもらえなかったこともあり、ちゃんと聞いたはずの言葉も信じがたかった。