光を背負う、僕ら。―第2楽章―




「佐奈は……そこまでしてピアニストになりたいのね」


「そうだよ。あたし、絶対になりたいの」


「そう…」




お母さんは目を伏せる。



今度こそ、お母さんにあたしの気持ちは伝わったのだろうか…。



お母さんが喋るまでの間、心臓が信じられない速さで動いていた。



やがて、緊張した空気をお母さんが突き破る。




「佐奈の気持ちはよく分かったわ」




…ドクン、ドクン。


お母さんの口が動くたびに、鼓動が身体中に伝わっていくのが分かった。



返事を聞くのは怖かったけれど、ぎゅっと拳を握り締める。



顔を上げると同じようにお母さんもあたしを見て、その瞬間だけ時間が止まったような気がした。




「――でも、今のままではあなたの夢に賛成出来ない」




…ドクン、と。

一際大きな音が自分の中で鳴った。



お母さんの目を真っ直ぐ見ることが怖い。



でも前回同じことを言ったときの返事とそれが違うことは明らかに分かって、少し期待の気持ちも抱いてしまう。