「おまえ、なんでそんな…」
真藤君は分からないと言うように眉を下げてあたしを見る。
握ったメモ用紙をもう一度だけ見つめて、胸の前で持った。
「…分かったから、それでいいの」
「…は?何を分かったんだ?」
「告白した意味だよ。佐藤君に告白した意味を見つけられた…。それが分かったから、あたしはもう十分なの」
ずっと分からなかった。
伸一に告白したことに、どんな意味があったのか…。
それもあって、ずっと苦しんでいたの。
告白したことであたしは何かを得るどころか、むしろ失ってばかりだった。
伸一への恋心はあたしの中で行き場をなくして。
残ったのは美化されていくわずかな思い出と、あっけなく失恋して傷痕が残った心だけ。
思い出も傷痕も、しっかりとあたしに刻み込まれて消えそうにない。
だから何度あの瞬間を思い出しても、後悔しか浮かばなかったんだ。
告白したって良い意味など見つけられずにいたから。
……でも、伸一のメモが告白した意味を教えてくれた。
伸一が“幸せ”って思ってくれたなら、昨日披露した曲もあたしの想いも救われる。
こうやってちゃんと伸一の気持ちも知ることが出来て、告白は無駄ではなかったって思えたんだ。
だからあたしは十分なの。



