メモ用紙を両手でぎゅっと握って真藤君に向き合った。
「…ははっ。隠れてるのバレなくて良かったね」
「……」
「まさか小春ちゃんまで部屋に来ちゃうなんて……。隠れておいて正解だったね」
あえてメモの内容については触れずに、返事は一つも返ってこないのにペラペラと喋った。
だけどそんな気持ちを紛らわす行為も虚しく真藤君に止められる。
「…やめろ、そんな強がり」
「…っ」
真藤君の表情はあたしを憐れんでいるのか、切なげに歪んでいる。
そんな真藤君の瞳に映る自分の姿は、確かに強がっているようにしか見えなかった。
悔しくて唇を噛み締めると、少しだけ血の味がした。
「…何でそんなに強がる?」
「強がってないよ」
「強がってるじゃねぇか。
あんな二人の姿を見て、普通平気なわけねーだろ。しかもこんな中途半端な優しさでメモまで残されたのに」
「……あたし、見てないもん。だって、真藤君が目隠ししてくれたでしょう?
それにこのメモだって、あたしにはこれだけで十分だよ」
苦し紛れに笑顔でそう言うと、真藤君は拍子抜けしたように驚いていた。



