光を背負う、僕ら。―第2楽章―




「…おまえも早く出ろって」




紺色の制服を白くする埃を払っていた真藤君が、ロッカーに入ったままのあたしの手を引いて動かす。



動かされるままに床に足をつくと、やっと現実味が湧いてきたような気がした。



それでも頭がボーッとしていて突っ立っていると、急に目の前に紙切れを差し出される。



驚いてゆっくりと頭を上げると、紙切れを持った手元を見たまま真藤君が口を開いた。




「…これ」


「…え、何これ…」


「…あいつがピアノの上に置いてた。戸沢がこの部屋に来る前に」




……ドクン、と。

心臓が一際驚いて、鳥肌が立つ。



恐る恐るそれに手を伸ばすと、それは折り畳まれた小さなメモ用紙だと分かった。



多分、中に書かれているのは伸一からあたしへのメッセージ。



だけど内容が何なのか分からないと恐怖すら覚えて、メモ用紙を受け取った手が震え出した。



何が書かれているんだろう…。



恐怖心はあるものの内容が気になるのも確かで、震える指先で折り畳まれた紙を広げる。



紙の擦れる音がやけに耳に残る気がした。