光を背負う、僕ら。―第2楽章―




なんだかあたし、違う意味でつらい気もするけど…。



とりあえず体が少しでも離れてくれたことに、こっそりと安心した。



だけどその直後にガラッと扉が開く音がして……、身体の温度が一気に下がった気がした。




「絶対、大声出すなよ?」




耳元で囁かれて冷や汗が背中を伝い、頷いて返事をする。

多分、その動きは見えていないだろうけど。



今はただ言われた通りにして、息を潜めることだけに集中した。



耳を澄ますと、足音が部屋の中央にまで動いていくのが分かった。




「…いねぇのか…?」




伸一…。


足音の主が発した声で、予想が的中していたことを知る。



伸一の声を聞いてドクンドクンと心臓が焦りだしていた。



多分あたしの姿を探している伸一は、部屋の中を動き回っているみたいだ。



途中で二人が隠れているロッカーの傍まで足音が近付いてびくびくしたけれど、足音はすぐにピアノの辺りに移動する。



伸一の気配を感じとる胸中はとても複雑で、葛藤する思いが交錯していた。