何をするの……なんて、聞かなくてもこの状況から察してしまった。
掴まれたままの腕を再び引かれた。
「…この中に隠れるぞ」
「何で隠れ、る……きゃっ!」
疑問を聞くこともままならないまま、力ずくにロッカーの中に押し込まれた。
……なぜか真藤君と一緒に。
そしてすぐさまロッカーのドアを閉められる。
そのことで人が入るなんて無理だろうと思われる縦長のロッカーに、真藤君に抱き締められる形で隠れることになってしまった。
真っ暗で埃臭いロッカーの中に密着した状態でいることに、なかなか頭がついていかなかった。
な、何なのこの状況…。
「ちょ、ちょっと!どうして隠れなきゃいけないの!?」
「静かにしてろ。足音はすぐ近くまで来てるんだから。
…つうか隠れた理由なんて、おまえがあいつと顔合わす覚悟がねーからに決まってるだろ」
「それは…そうだけど…」
どうやら返事が出来ないあたしを見て、真藤君はそれをノーの答えだと受け取ったらしい。
それはある意味当たっているから文句など言えなかった。
真藤君の口から出てきた“あいつ”の存在がぎゅっと胸を締め付ける。



