泣くのを我慢することも、無理して平然とした様子でいることも、真藤君には何でも見抜かれてしまうなんて。
……本当に、真藤君はすごいな。
あたしは前髪を触る仕草をして、彼から見えないように顔を隠した。
たぶん今、泣きそうな顔してる…。
きっと隠したってそれもまたすぐに気付かれてしまうだろうけど、それでも瞼を閉じて涙が出ることだけは我慢した。
目を塞ぐと、絡みに絡みあった想いが一気に込み上げてきた。
絡まるのは簡単なくせに、解くのにはきっと何年もかかってしまう想い。
余計なことを考えないようにすればするほど、それは皮肉なほどにも心を支配していった。
どうして、伸一を好きになったのだろう。
どうして、もっと早くに諦めることが出来なかったのだろう。
どうして、伸一じゃなきゃいけなかったんだろう。
どうして、告白なんてしてしまったんだろう。
どうして……この想いは消えてくれない?
答えが分からない「どうして」という疑問ばかりが募る。
今までも、昨日も。
散々その答えを探そうとしてきたのに、それはあたしの中では見つけられない。
何度も何度も探すのに、見つからない。
だけどそれらが分からないから、無理して笑っていたわけじゃない。
ただ、認めたくなかった。
苦しくて、認めることが怖くて。
ずっとそれに気付かないフリをして、目を逸らしてきたの。
本当は分かっていたはずである「どうして」の先の、“模範解答”の結末を。



