光を背負う、僕ら。―第2楽章―




一方の伸一はどうだったかと言うと、姿を確認していないからそれは分からない。



ただ聞こえてくる笑い声はいつもと変わらないように思えたから、何も気にしていないのかもしれない。



むしろ昨日の出来事はさっさと忘れたいのかもしれないし、もうすでに忘れたフリをしてあれはなかったことにしているのかもしれない。



伸一にとってあたしは、居ても居なくても変わらない存在であるような気がするから……。




「……あたし、そんなに無理してるように見えた?」




久しぶりに訪れた笑顔があっけなく顔から消える。



今日の伸一の態度を思い出したらなんだか悲しくなってきて、ついつい返事の声のトーンが下がって暗くなった。




「…あぁ。俺にはそう見えた」


「ははっ…。やっぱり真藤君には分かっちゃうんだね。真藤君って、さすが人間観察をしているだけあって鋭いよ」




真藤君には本当に驚かされる。


明日美や流歌には見抜けなかったことでも、簡単に気付いてしまうのだから。



……明日美と流歌には、今日一日ずっと昨日のことを隠してきた。



二人には“伸一に告白しない”って言い切ってしまっていたから、今更告白したことを報告するなんてなんだか気が引けてしまって出来なかったんだ。



そんな二人にバレなかったから、上手く平常心を保っていると思ってたんだけど……。


さすがに真藤君の目は、欺けないみたいだ。