光を背負う、僕ら。―第2楽章―




「……え?麻木……なんで泣いてんの?」




伸一とあたしの気持ちがあまりにもかけ離れていることが、悔しくて悲しすぎる。



伸一が驚いて戸惑っていることは分かっているのに、堰(せき)を切ったように流れ出る涙を止めるすべが分からない。



意識がもう、自分のものじゃないみたいだった。



口が、体が。


制止しようとする意識をはねのけてスイッチを壊す。



涙が木目の床に一際大きな染みを作ったのが、悲しい合図だった。




「あさ……」


「じゃあ……、佐藤君は“幸せ”って思ってくれる?」


「えっ……?」




また大粒の涙が瞳に浮かんで、視界を歪ませた。



喉を上がってくる言葉が鼓動をざわつかせ、鼻の奥が急に痛みを感じる。




「――好きなの。あたしの好きな人は、佐藤君なんです…!」




込み上がってくる言葉に想いを乗せて、少し乱暴に口に出した。



その瞬間、同時に涙が落ちて視界がクリアになって――。



見えたのは驚きと困惑の中で……悲しそうに笑う伸一だった。




……だから、気付いてしまった。



彼が出そうとしている答えを。


想いが実らない、その事実を……。