「あっ…えっと、嫌な気持ちにさせたらごめんな?
なんとなくだけど、そんな気がしただけなんだ。すごく愛しそうに歌を歌う麻木の姿を見てたら……」
「……」
「ごめん!気を悪くしたか…?」
多分伸一はあたしの反応を見て、自分の予想が的中していることにも気付いているはず。
だけどその様子を見ている限り、歌が自分への想いだということには気付いていないみたい。
そのことにとりあえず安堵して、伸一の問いかけに首を左右に振って否定した。
「だっ…大丈夫だよ。佐藤君が言ってることは……正しいから」
「えっ……」
伸一が驚くのも無理はない。
さっきまで図星をつかれて戸惑っていたあたしが、あっさりと事実を認めだしたのだから。
……だけど、これでいいの。
あたしはこの瞬間に決めていた。
無駄に焦って根本的な気持ちに気付かれないためにも、ここはバレてしまったことを堂々と認めよう。
そうすることで、何とかこの場を乗りきろうって。
それが吉と出るか凶と出るかは、あたしの運命しだいだけど……。



