光を背負う、僕ら。―第2楽章―




あたしと目が合うと、伸一は眉を下げて切なげに微笑んだ。




「なんだか切ないけど…良い曲だと思う。……麻木が優しいことがよくわかるから」


「えっ?」




それって、どういう意味なの……?



なんだか意味深に強調された言葉がやけに心の中に残って、しこりのようにそこに住み着く。




伸一は戸惑うあたしの表情を見て、今度は困ったように笑った。




「あのさ、こんなこと俺が言っていいのかわかんねぇけど…。
さっきの曲って、麻木自身の恋のことを歌ってるんだろ?」


「えっ!?」




図星をつかれてカッと顔が熱くなる。



それを見た伸一が納得しつつもさらに困ったように笑ったので、勢いよく顔を背けた。




どっ、どうして…。


どうしてあたしの気持ちを歌ったものだと気付いたの?



もしかして……想いの相手が伸一であることにも気付かれた?



もうすっかり夏も終わって秋になっているというのに、汗が噴き出したのを感じる。



嫌な感覚が全身を覆い、鼓動が焦りと連動して早鐘を打った。