あと少し。 あともう少し。 あともう少しで分かるんだ。 俺の記憶が、戻るかもしれない。 「野村。あったぞ、高校時代の写真」 原和田にアルバムを渡される。 「これが……」 手にしたアルバムから、何かを感じた。 開くのが少しだけ怖くなる。 「……開けないの?」 そう聞く原和田の顔は無表情だった。 「………」 ゴクッ。 音をたてて唾を飲んだ。 緊張感が増す。 震える手を抑えながら、ページを開いた。