「…………」



さすがに引いてしまったのか、無言だ。
それが余計にきつい。



と、思ったら。



「くくっ…ぶっはは!!
あーおかしい。笑える。なにおまえ。
ちゃんと可愛いとこあんじゃん」

「え、あはは…そ、そーかな」

「照れてんじゃねえよ、気持ち悪りい」

「あ、ごめんごめん」

「素直な奴。
で?化粧は終わってんだろ?
服に着替えたら、俺ん家来いよ」

「うん。すぐ用意して行くね」

「ん。じゃあ、後で」



亜清が電話を切った後、急いで服選びを開始する。
白地に淡い桃色の花柄のワンピースに、白地の花の刺繍が入ったストッキング、白のポンチョ。

バッグも白だし、これで白のブーティを履けば完璧なはず。



自室を飛び出し、階段を下りると、玄関にある花を直す母が居た。



「あら、お出かけ?」

「亜清と遊んで来るね」

「亜清君と?行ってらっしゃい」

「行ってきます」




玄関の扉を開けて、目の前の亜清の家まで走った。