「おまえ早くそれ食えよ」

「亜清も手伝ってよ」

「はあ?しょうがねえなぁ…」



渋々ながらも、一緒に私の注文したサンドウィッチを食べてくれた。

おじさんが久々に私と亜清が一緒に居るのを見せてくれたからと、私にショートケーキを、甘いものが苦手な亜清にはコーヒーゼリーをサービスしてくれた。



結局お昼ごはんを食べて帰るはずだったのが、亜清と話が弾んでしまって四時間も居座ってしまった。



「おじさん、おばさん、ありがとう!
ごちそうさまでした!!」

「ごちそうさま」


「また、おいでね」と笑顔で見送られて外へ出ると、空は薄暗く、昼間とは違い寒くなっていた。


肩を縮こまらせていると、自分が巻いていたマフラーをゆっくり外して、私の首にかけた。


亜清を見上げると、笑顔を向けながら「本当寒がりだな」と言って、頭をぽんと撫でた。





幼なじみなんだから、いけないとは思いつつドキッとしてしまった。


けど、昔好きだった相手なのだから、仕方ない。

これからまた、幼なじみとして付き合えるのかと思うと、嬉しくて仕方がない。



家路を辿る中、ずっと他愛ない事を喋っていた。


今までの空白の時間を埋めるように。