暗がりに潜(ヒソ)む影。

辺りをしきりに見回し警戒(ケイカイ)する様は獣のよう。


人間としての扱いを受けず育った彼らの身体は生傷が絶えずボロボロの衣類を纏(マト)っていた。



武器は刃の欠けた斧(オノ)とクワと時代遅れの装飾を施された剣。


彼らの技術では壊(コワ)すことはおろか、傷をつけることすらできない特殊(トクシュ)な壁に身を寄せ、扉が開くのを今か今かと待ちわびている。