本当は『待機』だから 休みではないんだけど ―――― 一月は逆に 何日か休みが、急きょ仕事に化けて それから殆ど、出ずっぱりが続いた 引越しの荷物が崩せなかったのは そんな理由だ 張っていた肩の力を抜く しかしまた、ビクリと動揺 携帯がいきなり鳴ったからだ 名前を見ると 「 ――― 真木か… 」 ボタンを押して 出る 「 はい 」 『 おい オマエどこいんのよ 』 「 ―――… わかんね 」 『 そんなこったろうと思った あのさ、今 トウヤから電話、来たんだけどよ 』 「 灰谷? 」