「 ――― いいのか? 」


「 何がだ? 」


「 いや… 」




カーテンから顔を出し、扉を閉めた長身


そんな俺からの問いに
椅子に腰掛けつつ、微笑み答える青山




「 ――… アズと手とか…
繋いでやってなくていいのかってよ 」


「 … もう大人だから、一人で寝るって 」




部屋中、大爆笑が起こる


すぐに口を閉じるが
それぞれの喉元から湧いて来る
低い笑いは止まらない




「 今回かなり怒らせたねえ 青山くん 」




池上がそう言うと
青山は腿にヒジを起き
神妙に、アゴへ手をあてた




「 …… 疑われる様な事は
何もしてないんだけどな

―― あずるは灰谷からも
ユカちゃんの話は聞いてて
夏の海で、友達にもなってる 」



… こいつ判ってねえな
そう思う




「 …男はさ、友達の女だからとかで
気になってても、感情抑える奴多いし


―――― 俺ですら

遊びまくってた頃でも
"あー、あの子は友達が狙ってたなー"って
声かけるの遠慮したりあったけど


… 女は泣いて謝りながら
普通に親友の男に手、出すぞ

だから女同士は友達になっても
親友さ、なりにくいすけ 」