---フィルミスク王国、グーワナ王国国境---


「ふふっ、リヴ可愛い~!」


そう言いながらリヴの頭に花をのせるシルク。


リヴの頭にのっている花は、フィルミスク王国には咲いていない花だ。

この花がはえているのはグーワナ王国だけ。


この国境は丘になっており、国と国の境は特に決まっていない。

しかし、この特殊な花が咲いているところは、もうグーワナ王国だ。


つまり今2人がいる場所はグーワナ王国。


「ちょ、何やってんですか!?

男に可愛いとか言うなよ…」


シルクに膝枕をされ、うとうとしていたリヴ。

しかしシルクの「可愛い」という言葉で目が覚めた。


リヴとシルクは14歳。多感な年頃だ。

リヴは自分の顔つきが少し女っぽいのがコンプレックスなのだ。


シルクはそんなことおかまいなしにリヴを見下ろして楽しそうに笑っている。


一方リヴはもう諦めたのか、周りにはえている花を摘みだした。

そして両手で何やら作っていた。