「…医者を呼んでくるわ。」
ミリアーネがそう静かに告げ、
椅子から立ち上がった。
するとシルクはその手を引き、
「待って!今は戦争の話の方が…」
「何を言ってるのよ。
貴女の体の方が大事にきまってるわ!」
ミリアーネはシルクの言葉を害していった。
そしてシルクの手をそっと払い、部屋から出て行った。
…リヴとの子供。
もしかしたら、自分のおなかの中にはいるかもしれない。
そう思い出したのは1カ月ほど前だった。
月経が来なくなり、少しお腹が膨らんでいた。
そして吐き気がすることもたまにあり、
食事をあまりとらない時もあった。
「…リヴ……」
もし本当に宿っているならば、
シルクにとってはとても幸せなことだった。
…一国王としては大変なことだが


