記憶の向こう側





私と敬太は、驚いて顔を見合わせた。




すると、お父さんがこう言った。




「そこまでお前達の想いが強いとは思わなかった。反対してもまた出ていくんだろうし、それだったら認めよう。」




お母さんは何も言わなかったけど、笑顔でうんうんとうなずいていた。




「…ありがとうございます!杏子のことは、絶対幸せにします!」




敬太は、私の親に深々とお辞儀をした。