秀人は沈没の後に「ごめん」と一言だけ言って、部屋から出て行った。


あたし、秀人を傷付けた…??


でも悪いのは秀人だし。


秀人があたしにベタベタするから…。


あたし、男嫌いだし…。


あたしが1人で考え込んでると、急に肩を叩かれた。


突然の事でつい大声を上げてしまった。


「わぁっ!!」


「そんなにビックリしなくてもいいだろ」


そっか…蓮人も居たんだった。


すっかり忘れてた。


「ごめん。ビックリしたから」


「なぁお前、秀人と何かあった??」


「え…何で??」


「さっき秀人が悲しそうな顔して出てったからよ」


やっぱりあたし、秀人を傷付けたんだ…。


「………」


「やっぱ、何かあったんだな。俺で良ければ聞くけど??」


蓮人の優しい声と言葉に自然と涙が溢れた。


「ちょっ、何で泣いてんの!?」


「ごめん。あのね…」


あたしは泣きながら、蓮人に事情を説明した。


「…ふーん。で、何で秀人を突き飛ばした訳??」


「だってあんな事してきたから。普通、突き飛ばすでしょ!!」


「そうか??自分で言うのもあれだけど…俺達って外見は良い方からさ結構モテるんだよ。だから秀人にあんな事されたら普通の女はイチコロって訳。」


「そんな事言われても…」


「未来、もしかして男嫌いとか??」


「…だったら、何よ」


「やっぱり。おかしいと思ったんだよな。秀人にあんだけ構われて惚れないって。で、何で男嫌いになった訳??」


「何でって…誰にも言わない??」


「あぁ」


その言葉を聞いてあたしは過去のトラウマを話し始めた。