「条件がある」
お爺ちゃんの目をしっかりと見ながら言葉を発する。
「なんだ?」
「犬好きな人にして」
「あぁ。それから?」
「それだけ」
「・・・本当にか?」
「うん」
「・・・本当にそれだけか?」
「うん。しつこいよ。お爺ちゃん」
「麗羅、世界一の犬好きな奴をメイドにするよ‼‼‼」
「なら、あたし適役じゃん。」
「❓‼‼」
3人しかいないと思っていた部屋にもう一人の声がして驚きをかくすことなんてできなかった。人は本当に驚いた時、声を上げて叫ぶなんてできないんだと改めて実感した瞬間。
「いつの間にこの部屋に?」
驚きで声も出せないあたしを他所に近江の冷静な、しかし驚きを含んだ声が第三者に問いかけた。
彼女は、いったい・・・?

