「お母さん、ただいまー」


玄関脇に置いてあるタオルでソラの車輪を綺麗に拭いてから中に入る

と、そこまではいつもと何ら変わらないのだけど

その玄関には見慣れない
革靴が2足
どーみても男性の物だ



「お客さんでも来てんのかな」



"足"を進めてリビングまで来ると
テーブルを挟んでお母さんと靴の持ち主であろう男性2人が向かい合って座っていた



「れい、おかえり
楽しかった?」



「あ…うん
えと、お客さん来てるなら
私、部屋に行ってるね」



そう言って立ち去ろうとする私に
お母さんは、話があるの…
と、私を引き留めた


とりあえず、私はお母さんの横に行き
お客さんと向かい合った

1人は50代後半くらいの人で
もう1人は30代前半くらいの人…



前に座る2人を観察していたら
目の前にお茶が置かれて
隣にお母さんが座った



「レイは会うの初めてよね…
この人は近江 繁さん、私の父で、あなたのおじいちゃんよ」




私の方をしっかりと見て
お母さんは話出した



「…は?おじいちゃん?」



一瞬の間を置いてやっと言葉を出すことが出来た