色々な考えが私の頭の中で暴れる。
私はそれを無視して、無我夢中で土屋先生に蹴りや拳をいれる。
先生はそれを全てかわしたり、受け止めたりして、全くダメージを受けない。


「攻撃が単純化しているぞ。何か考え事か?」


「先生には関係無いでしょ!」


「当ててやろうか?」


土屋先生が私の肩を掴み、突き飛ばす。
私はなんとか持ちこたえて、着地する。そして、ジャンプをして、土屋先生の上をとる。


「はぁ!」


気合いを入れて、飛び蹴りをする。


「くっ…」


ガードした土屋先生だけど、あたりどころが悪かったみたいで、表情がゆがんだ。私はばく転をして再び戦闘体制になる。


「今のは良かった。」


「どうして先生は知っているんですか?」


「知っているって?……例えば……。」


私達は離れて、戦闘体制を解除する。


「椿の過去、なぜお前がそんな力を持っているのか…。」


土屋先生が短ダッシュで私に近づく。


「なぜお前がこの事を隠しているのを知っていたのか。」


慌てて私は防御の体制をとる。先生の肘が私の目の前にくる。

「えっ!」


「そして……。」


そのまま私の防御していた両腕に土屋先生の肘が当たる。そして、かなり遠くに飛ばされた。


「ぁあぁっーーーーーー!!!」


掃除用具に背中がぶつかり、痛い。土屋先生がゆっくり歩いて来る。

早く立たないと負ける!


でも、

身体中が悲鳴をあげていて、立てない。



「なぜ俺がこんなに強いのか。……。そんなものか……。」



もうだめ……。

身体が言う事を聞かない。
私は慌てて呼吸を整えながら、土屋先生をにらむ。


「はぁ……。はぁ…。土…屋…先生…。」



もう、話す事もキツい。

私は動かない身体を必死で動かそうとする。が、やっぱり動かない。



「もう。動くな。これ以上やったら命に関わる。」




私を見下しながら言う土屋先生。そして、虫の息の私を抱き抱えた。



「な……に…。」


「椿にはまだ死んでもらったら困る。」


私は土屋先生の腕の中で気絶してしまった。






虹愛女学院前編完