取りに来た物は渡したのに、潤くんは帰ろうとしない。 お互い沈黙のまま、時計の針の音だけが聞こえる。 「光、俺の話聞いてくれる?」 先に口を開いたのは潤くん。 きっと、あの女の人の事だと思ってドキッとしたけど、頷いた。 「家に居た人は、俺の彼女。」 やっぱりな。 「彼女とは、もうずっと付き合ったり別れたりを繰り返してたんだ。」 言葉が出なかった。 私、何も知らない。 「今は、結婚を考えて付き合ってる。」 頭をガーンと殴られた感じがした。 結婚を考えてる…?