「いい匂いがする。」 潤くんの後ろから声がする。 『ゲッ。』 私はあからさまに嫌な顔をした。 「光はいつも俺に冷たいな。」 『また来たの?』 「俺、先に風呂入るわ。」 そう言って潤くんはリビングを出て行ってしまった。 「今日の夕飯は何?」 『ミートソーススパゲティー。』 「いいね、いいね。もちろん俺の分もあるんでしょ?」 『ない。』 「えー、光の手料理食べたい。」 さっきから私に話しかけてきてるのは、小坂 和馬(コサカ カズマ)。 潤くんの昔からの友達。