あの後、美鈴ちゃんは興味をなくしたように店を出て行った。
男もそれを追うように店を出て行き、
俺はしばらく何が起こったか分からず放心していた。










「あんた、知ってたの?」


俺は公園のベンチに座り、項垂れていた。
二日前に美鈴ちゃんと来た時は暑いくらいだった気温は
今やまるで俺の気持ちをそのまま写したかのように少し肌寒かった。


「…なにを」
「美鈴ちゃんがあんな性格だったのを…」


俺は思い出して、またヘコんだ。
俺の頭の中には、俺に助けられてお礼を言っている美鈴ちゃんと、さっきの豹変した美鈴ちゃんがぐるぐると回っている。

うぉぉおおと唸る俺に、天使は「あー…」と言った後、


「一応は」


と、言い難そうに言った。
その言葉に俺はガバッと身体を起こして天使に掴みかかった。


「何で教えてくれなかったんだよおおぉぉッ!!」
「あそこまで豹変すると思わなかったんだよッ!!」


これ見ろ、と言って渡されたのは
天使が美鈴ちゃんの情報が書かれていると言っていた紙だった。


「“特徴”のとこだ」


天使に言われて、俺は“特徴”の項目を見た。