しばらく互いに無言でいると
「あの、名前は何ていうんですか?」
と彼女が小さい声で言った。
「俺?俺は田中裕也っていうんだ、君は?」
「私は、白崎美鈴です」
うおお!彼女から名前を聞いてくれるなんて!
俺は表情には出さずに、心の中で踊り狂いながら
「じゃあ美鈴ちゃんだね」
とにっこり笑う
すると美鈴ちゃんは
「あ、じゃあ私は裕也さん…で…」と少し照れたように笑った。
『笑った顔かっわいいい!』
と心のなかで悶えていると
美鈴ちゃんは何かを言おうと少し躊躇ったあとに、
「…あの」と言った。
それに目敏く反応した俺は、「なに?」と聞き返すと
「裕也さん、明後日の土曜日暇ですか?」
………天使さん、恋のキューピッドの力って凄いわ

