「…………」


しばらく無言で俺が触っていると
自称天使はフゥ、と軽くため息を吐いた。

どんだけため息吐くんだあんた、幸せが逃げるぞ


「別にお前が心配するほどのことじゃない。」
「…そうか」


そう言われて俺は翼から手を離した


「……で?お前は俺が天使だって信じるのか?」


そう言った自称天使の顔は、とても真剣だった

俺は頭の中で色々考えた後


「…分かった、信じるよ」

そう俺も真剣な顔で言い返すと、
天使は少し安心したように言った


「……そうか、宜しくな」



――…本当はまだ完全には信じてはいない、

けど、小さい翼を見て、寂しそうに笑った顔と

俺が信じると言ったときの天使の少しだけ笑った顔に

俺は信じてみようかな、と思ったのだった。