「仕事が思いの外(ホカ)はやく終わ ったからな」 「…………そ、そっか…」 シーン…… リビングは静まり返り、 重い空気が漂い始めた。 「…………あたし、買い物に行っ てくるね。何が食べたい?」 この重い空気に 耐えられなくなったのか七菜は、 そう言って立ち上がった。 ―――その瞬間だった。 またこれも、 ほぼ無意識の行動で。 「七菜」 七菜が椅子から立ち上がったのと ほぼ同時に、 七菜の腕を掴み、 自分の方に引き寄せていた。