と、その時──…


陸斗が、いきなり立ち上がった。
みんな陸斗をポカンとした顔で見ている。
もちろん、あたしも含めて。

そして、あたしの傍にたち、グッと腕を引っ張り、立たされた。

「悪いけど、俺らいちぬけで。行くぞ、のん」
「へ、わっ!」

グイッと腕を引かれ、走りながらカラオケを出た。