待ちに待っていた雨が、空からのプレゼントに思えた。 天音から、紫音が通っている大学の名前を聞いた。 『今、卒論の追い込みみたいだから、夜中まで研究室に籠もってるよ』 突然逢いに行ったら、驚くだろうか。 そんな不安を背負いながら、紫音の折りたたみ傘を開いた。