それから、野獣さんの言った通り、美鈴ちゃんは6時限目には帰ってこず。
結局、放課後になっても美鈴ちゃんが戻ってくることはなかった。
『いぶ、帰ろう。』
「ぁ、壱くんっ…」
放課後、鞄を教室に置いたままの美鈴ちゃんを心配して教室に残っていると、壱くんが迎えにきてくれた。
『どした?』
「…美鈴ちゃんが、」
『ん?』
「美鈴ちゃんが、野獣さんとどっか行ったっきり、戻ってこないの…。」
本当に、どうしたんだろう。
鞄も教室に置いたままだし、
美鈴ちゃんからの連絡1つもないし。
もし美鈴ちゃんに何かあったら――…っ
『泣くな。』
「ッ、壱く…?」
『いぶ、泣かないで…?』
「っ…壱くん…っ!」
私の頭に手を乗せて、撫で撫でしてくれる壱くんは本当に優しい。
溢れてく涙も、壱くんがいれば止められる――。

