――…こんなことって、あるのでしょうか。



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―――――……

―――……


「んむ…おはよぉ…お母しゃん…」

『……おはよ、依吹…?』

「………ほぇ?」


壱くんと付き合うことになった次の日の朝。


『ぁ、依吹やっと起きたのー?早くご飯食べなさい。』

「……っ、っ!」

『いぶ、俺に“おはよう”は……?』


私の家に、こ、コーヒーカップを手に寛いでいる、ぃ、壱くんがいました…!!

なっ、何でぇーーっ!?


「ぃ、ぃ、壱く……っ!!?」

『はい…?俺が、どうしたの…?』


し、しかも、新聞まで読んでる…っ!

いつからここに!?


「ぉ、お母さっ…壱くんがっ!」

『ぁら、依吹ー。朝早くから彼氏さんを待たせちゃダメじゃない。最近寒いから、家に入れたのよ。ね?壱くんっ』

『はい…いぶ、“おはよう”は?』

「…っ」


仲良さげな壱くんとお母さん。

私がいない間に、そんなに親交を深めたのっ…!?

しかも、壱くんは何故か私に“おはよう”の挨拶を求めてるし…っ!