「――壱くん、ありがと。もう大丈夫だよ。」
数分後。
雷も遠ざかって、あまり聞こえなくなった頃、やっと落ち着きを取り戻した私。
壱くんがずっと抱きしめてくれていたおかげで、涙も乾ききっていた。
『ホントに?もう平気?』
「う、うん。」
多分。
これ以上雷が強くならなければきっと。
そんな私の小さな不安を察してくれたのだろう。
『そっか。もう遅いし、寝ようか?』
壱くんがやわらかい笑顔で、そう言ってくれた。
未だちょっと放心状態の私の乱れた着衣を着直させてくれた壱くんは、私を姫炊きにして、寝室のベッドへと運んでくれた。
『俺はソファで寝るから。安心してお休み。』
お布団に包まれた私の頭を、優しく撫でてくれる壱くん。
今日は壱くんのご褒美の日なのに――申し訳なく思う。
『じゃぁね、』
「待って、壱くん」
そのままベッドから離れようとした壱くんの手を、咄嗟に掴んだ。

