【完】無愛想彼氏2~キミノ隣で~





「せ…いじ…」

”かな”と呼ばれる女の人は、「ほんとにいた…」と嬉しそうに涙をこぼした。

「…帰れ」

「せ…」

「帰れよ」

「ぁ、あのね」

「帰れって言ってんだよ!!!」

「…ッ」

「俺と一緒にいて…

また”あいつ”に見つかったらどうするつもりだ…ッ!!」


あい…つ??


「…ッ。

誠二…あのね、あたし…アメリカ、行くの…」

「は…?」

「誠二に伝えたくて…
おばさんに、場所聞いて来た…。

あした、出発…」

「…帰れよ」


清本がそう言うと、

”かな”と呼ばれる人は病室を出て行った。