「…言うしかない」

「ぇ…」

「気持ちは、言うしかねぇんだ。
言わないと届かないし、伝わらない。

…俺も、しくじったことがある」

きよ、もと…??



「伝わってるって思ってて、全然自分のキモチを口にしなかった。
誰にも負けないくらい想ってて、
あっちも…想ってくれてるって思ってた。

けどさ、結局は思い込み。

俺が勝手に伝わってるって思ってただけで、

…全然、伝わってなんかなかった。

届いてなんてなかったんだよ」



悲しそうに…離す清本の姿が、

切なかった。



「…後悔する」

「…」

「伝えなかったら、後悔するぞ」

「…ぅん」

「俺はさ…もぅ、二度と伝えることは許されねぇんだ」



そう…清本が言った瞬間だった。



病室のドアがそっと開いた。

そして…


「…華那…」

清本が、懐かしそうに…切なそうに、

彼女の名前を呼んだんだ。