──コンコン
「?? どうぞ」
ノック音がして、かけ声をかければそっとドアが開いた。
入ってきたのは、清本だった。
「? どうしたの?」
「いや、ちょっと…心配になって」
「へ??」
「…飯田は?」
「ぁ、ぇっと…帰っちゃったっ」
「…」
「…蓮さ、あたしが隠し事すると怒るのに、
自分が隠し事してるんだよ。
超不公平だよね。
ねぇ…
どうやったら、この気持ち伝わると思う…?」
好きで、
好きでしょうがない。
キスする時…そっと頬に添えてくれる大きな手も、
抱きしめてくれる…あの大きな腕も、
低く甘く…囁いてくれるあの声も、
どれも愛しくてたまらないのに。
この気持ちの伝え方が…わからないんだ。