蓮が病室を出て行き、あたしはギュッと踞った。


「話聞いてよ…バカ蓮」


今さっき…

清本が言ってくれたんだ。


『七夕祭ぐらい、飯田と過ごしてやれよ』

『二年記念日ぐらい、譲ってやる』


って…。

それなのに、あのバカ蓮。



絶対勘違いしてる…。



キスした後に見せた、

蓮の表情が頭から離れない。



苦しそうで、

悲しそうで、



どこか…不安そうで。




蓮…

想ってることぐらい、言ってくれてもいいじゃん。