翌朝、桃嘉はそっと目を覚ました。
その時間は、8時半。
桃嘉にしては随分遅い、と桃嘉のお母さんが言っていた。
随分…寝不足だったみたいだ。
「…れ、れん?! 学校は?!」
「大丈夫、遅刻届はだしたし」
桃嘉がちゃんと目を覚ますまで、ここにいるつもりだったしな。
俺は朝、母さんにもってきてもらった鞄をもち、立ち上がる。
「今日はちゃんと寝てろよ?」
「うん。お医者さんも、今日は何もしちゃいけないって言ってたらしいし…」
「じゃあ、放課後はいちようもう一度来るから」
「え、いいよ!!」
「メールできないし、来るよ」
そう言っても、申し訳なさそうな顔をしている。
…昨日の言葉、伝わってないな。
もっと、
甘えて欲しいのに。
『寂しいから今日はどこも行かないで』
って桃嘉に言われたら、
俺は一日中ここを離れないのに。

