「蓮くん、今日は…桃嘉と一緒にいてあげて?
あの子、本当に蓮くんの事が好きみたいだから」
「はい」
「じゃあ、よろしくね」
桃嘉のお母さんは優しい笑顔を向けて、病室を出て行った。
俺は、ベッドで眠る桃嘉の隣に座り、そっと手を握った。
…まだ、熱い。
「…れん?」
「桃嘉…」
「れん…ここ、どこ?」
「病院」
「…え…」
「倒れたんだよ、お前」
「…ごめんね? 一緒にって、言ったのに…」
「桃嘉、なんで体調の事言わなかった」
「…ただの、風邪だと思って…」
「アホか…」
「ごめんなさい…」
「…倒れた瞬間、心臓が止まるかと思った。
もう、二度とこんな思いはご免だ。
桃…少しは、頼れよ…」
二年近くになるのに、
不安が積もるばかりなんだ。

