「顔色悪いわね…今倒れたの?」
「はい」
「いちよう救急車呼んだわ。飯田くん、よね。あなたもいちようついてきて」
「はい」
救急車に、桃嘉と保健室の先生と一緒に乗る。
病院まで、やく10分。
10分が、こんなにも長く感じたのは、初めてかもしれない。
早く…早く病院に着いて欲しい。
病院に着いて、約30分ぐらいの検査をし、やっと医者が出てきた。
「ただの過労です。
最近、頑張りすぎて熱がでたんでしょう」
「…」
過労…。
生徒会のこと…だよな。
「とりあえず、今日は病院で。
明日は、家でゆっくり寝かせるようにさせてください」
「はい、ありがとうございます」
桃嘉の母親が深く頭を下げる。
「蓮くん…」
「すみません、桃嘉の体調に気づけなくて…」
「蓮くんの所為じゃないわ。
あの子…体調の事とか自分でも気づかないくらいなの。
だから、今回も気づかずに無理しただけなのよ」

