翌日、教室に行けば桃嘉は爆睡していた。
…まだ朝なんだけど。
桃嘉の前の席には、間宮が座っている。
俺は桃嘉が起きないようにそっと近づいて、隣に座った。
「コイツ、なんかあったの?」
「知らない。だけど、桃嘉にしてはすっっごい早くここで寝てたよ?
あたしよりも早かったもん」
間宮より早いって…相当早いぞ。
間宮はいちよう吹奏楽部で、朝練のため早くきてる。
…大丈夫か、コイツ。
起きた時、
コイツに何を伝えよう。
…ダメだ、なんも思いつかねぇ。
「飯田?」
「ぁ、わり…」
「?」
「あんさ…桃嘉、最近欲しいものとか言ってなかった?」
「はぁ?」
「…いや、今の忘れて」
コイツに相談してる時点で、ダメだよな…。
俺が考えないと…。

