【完】無愛想彼氏2~キミノ隣で~







放課後、一人で下駄箱にいると、横から誰かが抱き着いてきた。

「飯田♪」

「山口かよ」

「なに? 彼女と間違えた〜?」

「桃嘉はこんな事しない」

「…あっそ!」

山口恵美。

一年の時、一緒に文化祭委員だったりした。


「ねぇ、一緒に帰ろ!」

「あんま彼女不安にさせたくないから、ごめんな」

「…」

「じゃあな」


山口に抱き着かれた時、

桃嘉じゃないって確信はあった。

だけど…

どこか、心の中で期待してた。




ギュッと抱き着いてきて、


そっと…


いつもみたいに優しく微笑むんだ。


そんで、いつもみたいにキスして。



…かなり重症だな、俺。