「ぁ、言い忘れたこと、とか…?」

「岸本が、惚れてるんなら良いと思った」

「へ??」

「べた惚れなんだってわかったから、このままでもいいと思った。

だけど、

そんな考え吹っ飛んだ」

「あ、あの…きよ、もと?」

手首を掴まれる力が、少し弱くなる。

そして、

トンと…あたしをドアへと押し付けた。





「好きだ」





真っ直ぐな瞳が、


あたしの瞳をとらえる。


「…好きだ、桃嘉…」

「っ///」

「…俺のもんに、なれよ…」


清本はあたしの肩に、額を当てる。

「好きだ…」


わかる…清本のキモチ。

本気だってことぐらい、わかる。


だけど…



このキモチは動かない。