【完】無愛想彼氏2~キミノ隣で~






「ま、待ってたの…?」

「一人じゃ危ないだろ」

「ぁ、えっと…」


チラッと俺の方を見る。

…ほんと、敵わない。

なんで…いるんだよ。


なんで、帰ってねぇんだよ。


こういう時、自分がすごい虚しくなる。



「き、清本…その」

「いいよ。彼氏に送ってもらえ」

「ご、ごめんね? せっかく…」

「いいって。じゃあ、また明日な」

「うん…」


申し訳なさそうな顔をしてる桃嘉の横を通り、靴へと履き替える。

履き終わると、桃嘉が俺を呼んだ。


「清本!」

「?」



「今日、ありがと!」




優しく微笑む桃嘉。

そんな笑顔…今、見せんな。



彼氏がいるってわかってんのに、


まだ…好きだって思ってしまう。