「桃嘉、帰るぞ」
「へっ?」
珍しく、
ってか初めて…蓮から誘われたんだけど。
「早く支度しろ」
「ちょ、ちょっと待って」
蓮早くない?!
あたしは急いで支度を済まし、蓮の隣を歩く。
蓮はそっとあたしの手を握って、指を絡ませる。
校門を出れば、蓮は帰り道とは逆の方向を歩く。
「れ、蓮??
家、こっち…」
「いいから。今日は放課後デート」
はいっ?!
「ちょっ、あたし勉強…」
そう言うと、蓮は眉をひそめた。
え??
「今日は勉強なし」
「む、無理! 授業だって」
「今日はデート」
そう言って無理矢理あたしを引っ張っていく。

